こんがりマシマロ丼

蕩けて胃もたれ

「シェイプオブウォーター」感想と考察(ネタバレ含)

タイトルの通りです、現在公開中、かつ第90回アカデミー賞で作品賞・監督賞・作曲賞・美術賞を受賞したことで大きな話題となっているシェイプオブウォーター(原題:the shape of water)を先日鑑賞し、いろいろ思ったことがあるので感想と考察を綴りたい所存…

 

*あらすじやキャストの紹介などはWikipedia先生やGoogle先生を参照してください。

*ネタバレを含みます

 

 

作品の感想としては全体的にしっとりとしていて、なめらかで、お風呂でまどろんでいる気持にさせられます。それで、時折溺れかけて起きる、みたいな。

 

おそらくみなさんが鑑賞後に思うのは主に、

 

・あの生き物はなんだったのか?

・イライザはなんだったのか?

 

の2点なのではないでしょうか。

私はそうです。

 

・あの生き物はなんだったのか?

半魚人半魚人と皆が言うのであまり深く考えてはいなかったのですが、鑑賞中に私の頭をよぎったのは「インスマウスだ…」ということ。

インスマウスとは、クトゥルフ神話で有名なラヴクラフトが執筆した「インスマウスの影」という話の中で登場するある架空の町のこと。町のことはともかく、この町に住んでいる住人(インスマウス人)の外見というのが特徴的なのです。

ざっくりいうと魚人の一族で、

 

・おおよそ魚のような顔

・たるんだ首の皮(エラ)

・鱗で覆われた皮膚

 

なんかがあげられます。

また、地上での行動が問題なくできる個体や、歩行がひょこひょことした不自然な歩き方になる個体、発声が不自由になる個体があります。

「あれ?」って少し思いませんか?

ちなみにこのインスマウス人は「深きものども(ディープワン)」なんて呼ばれたりもしていて、旧支配者クトゥルフの眷属だとかなんとか。

 

作中ではあの生き物は神としてあがめられていたそうですね…と考えるとインスマウス人の長となる父なるダゴンのことだったり…?なんて考えたところで頭がパンクしてジ・エンド

おさかなさんの話はここまでにします。

 

・イライザはなんだったのか?

最後、イライザは人間ではなくなったと思いますが、果たして最初から人間だったのかしら?なんて考えてしまうのです。

作中ではタップダンスを見てみたり実際にステップを踏んでみたりするシーンが多く、「二本足」であることを強調するシーンだなと感じました。

そこで自分が思ってしまったのが、イライザは「人魚」の様な存在だったのでは…なんて

川に捨てられていたこと、その時には首の傷があったこと、そう考えると何となく納得は行きます。

イライザの前世が人魚で人間として生まれ変わりたいと願った結果か、

イライザの親(人魚?)が何らかの理由で自分たちの娘を地上に送った結果か…

たとえば人魚の世界があったにもかかわらずその世界が滅びそうだから娘を助けるために、とか、あるいは供物にした、とか…いろいろ考えると膨らみますね。

 

そういった理由で声が出ないとすればなんとなく自分の中でしっくり来るなと。

 

とっ散らかった文章ですし結論も出てないですし、なんとなくそういったモチーフで描かれたのかな、という妄想でしかないですが非常に美しく官能的な映画だったと思います。

バスの窓の水滴のシーンとか、おそらく性行為を暗示しているのでしょうけれど、おしゃれすぎる…。

異形の者との恋愛ものでセックスまで描く(しかも、別にそんなに気持ち悪くない)ってなかなかないと思いますし、それをすとんと受け止められるようなタッチなのが素晴らしかったと思います。

 

個人的にはホフステトラー博士結構好きだった。

 

終わります。